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コロナは働き方の強制アップデート?仕事=出社から働き方自己プロデュースの時代へ

コロナは働き方の強制アップデート?仕事=出社から働き方自己プロデュースの時代へ

効率的な働き方とは?

朝からの満員電車に揺られ、くたびれながら出社。
ハンコ文化が根強く決済に時間が掛かる。
会議室は予約必須、会議はダラダラと長話が続く…

仕事はオフィスでするもの——今まではそう考えている人が大半だったように思う。

しかし新型コロナの流行により、多くの人が半強制的にテレワーク(在宅勤務)を経験した。
従来とは違う働き方を体験したことで、今、私たちの働き方についてに様々な意見が交わされている。

7/20に開催されたTOKYOテレワーク・モデルオフィスのオープニングレモニーで語られた内容を元に、働き方について改めて考えてみる。

日本では仕事=出社。副業もNG

日本では、いまだに「仕事は会社でする」という考えが根強い。

仕事は皆、同じ環境と条件下でするもの——そのためにはまず出社が大前提であり、中には暗黙の了解で定時の数十分前には自席にいるという謎ルールを強いる企業もある。(定時とは…?)

しかし日本では、通勤時の満員電車が恐ろしく混んでいる。
仕事より出社が大変である、満員電車の疲れが仕事に影響を与える、といった意見は多く、会社に行くことに労力を使うのは非効率と考える人も少なくない。

また、少しずつ緩和傾向にはあるものの、日本の会社は副業を禁止しているところが多い。
年々消費税や物価は上がるのにも関わらず、給与水準がの向上には大きな変化はない。
結果、支出ばかりが上がっていく。

仕事前の出社に労力をかけ、給料はそんなに上がらない状況…
働く人々のモチベーションや生産性はどうなるだろうか?

日本は世界に比べて労働生産性が低い

世界的に見ても、日本の労働生産性はお世辞にお高いとは言えず、むしろ先進国としてかなり低い
下図は労働生産性の国際比較を一覧にしたものだが、正直こんなに低かったの?と驚く。


【出典/公益財団法人 日本生産性本部 「労働生産性の国際比較2018」

中学生の時、社会の授業で「日本がくしゃみをするとオーストラリアは風邪をひく」と聞いた。
日本のちょっとした経済の変化が、他国に打撃を与えるという意味だよ~と当時先生が笑いながら解説していた…が。

現在では、日本はオーストラリアに労働生産性でとっくに抜かれてしまっている。
名ばかり先進国と批判されても、否定が難しい。

コロナは働き方の強制アップデート?

「仕事=出社が前提、皆同じ環境で、定時までキッチリ働く」という働き方が当然となっていた日本だったが、新型コロナの襲来により、状況は一変する。

企業の変化

2020年4月、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、政府から緊急事態宣言が発表された。
急遽対策を求められた企業は、次々にテレワーク(在宅勤務)の実施に踏み切った。

ザイマックス不動産総合研究所の調査によると、在宅勤務を実施した1,643社のうち、64.5%の企業が在宅勤務導入のきっかけはコロナがきっかけであったと回答した。


【参考出典/ザイマックス不動産総合研究所「働き方×オフィス」】

ちなみにコロナ以前も、働き方改革や東京オリンピックの混雑緩和のため、テレワーク・デイズ等でテレワークの実施が呼び掛けられていた。
しかし、「別にテレワークなんて必要ない」「うちの会社には合わない」「大企業向け」と、企業の導入率は伸び悩んでいた。

セミナーではコクヨのパネリストが、「ずっと働き方を変えなかった日本にとって、コロナは働き方の強制アップデートとも見れる」と分析。

「働きやすく変わろう」より「必要に迫られてやる」ところがいかにも日本企業である。
オリンピックよりも、コロナが在宅勤務でのテレワークを後押ししたのは少々皮肉な結果である。

働く人々の変化

前述のとおり、企業のコロナ対策で、多くの人々が半強制的に在宅勤務を経験した。

その結果、
「会社じゃなくても意外と仕事はできる」
「出社に労力を使わないので、むしろ効率的」
といった、従来の「仕事=出社」の固定観念が薄れ、働き方への意識が多様化しはじめた。

テレワークを経験した周囲に、今後の働き方について希望を聞いたところ、
「テレワークを積極的に続行したい」
「今後も週の半分はテレワークを効果的に導入してほしい」
「通勤ストレスが無く、生活と両立できるので仕事もやる気が出る」
という声が性別や年齢問わず、全員から返ってきた。

大多数の人間は、効率的でカスタマイズできる働き方を望んでいることが見て取れる。

出社とテレワークの二極化

しかし緊急事態宣言の解除後、企業の方針は大きく二つに分かれている。

ひとつは、テレワーク導入を視野に入れた、新たな働き方を目指そうとする企業。
そしてもうひとつは、コロナ前と同じく出社ベースの働き方に戻そうとする企業だ。

【参考出典/コクヨ株式会社「ワークスペース整備の潮流について」】

現に出勤者は再び増加傾向になり、自粛宣言中は乗車率100%以下だった電車も、徐々に混雑が発生しつつある。

ちなみに現在、連日ニュースで感染者の増減が報道されているが、「感染経路不明」は電車で感染した場合も含まれる。
電車がどれくらい混んでいるかは、実際に体験した人であれば一目瞭然であると思うが、目安はこちら。

通勤時は乗車率200~250%が多いとされるが、もはや密です!どころではない。
政府や企業のトップたちには、ぜひ一度あらゆる路線で満員電車体験ツアーをしていただき、現状に即した混雑対策を取って欲しいものだ。

働き方を自己プロデュースする時代へ

勿論、オフィスでないと出来なかったり不便な仕事は沢山ある。
そのような仕事を無理にテレワークしろとは言わないが、業務内容によって、もっと柔軟に仕事の場所を選ぶことはできないのだろうか。

ワークプレイスの変化「1.5プレイス」の需要

【参考出典/コクヨ株式会社「ワークスペース整備の潮流について」】

コロナで多くのワーカーが在宅勤務(1stプレイス)を経験したところ、机や椅子が使いづらい、印刷機が無い、仕事とプライベートの切り替えが困難など、仕事に集中できない環境要因が多く確認された。

そこで現在注目されているのが、家(1st)とオフィス(2nd)の間である、職住近接型コワーキングスペース「1.5プレイス」である。

1.5プレイスは、自宅の近くに仕事に必要な設備が整っている仕事場を持つという考えだ。
デスクや椅子、Wi-Fi やプリンタなど、オフィスと遜色ない環境が揃っているこの場所では、「自宅では仕事をし辛いが、オフィスまで通う必要がない」仕事をする場合にマッチングしており、今後はさらに需要が伸びていくと考えられている。

また、コワーキングスペースはそれぞれ内装や設備が多彩であり、色々なタイプがある。
会話や交流が多いところ、じっくり静かに作業をするところ、資料が豊富にある場所…。
仕事場は一つに絞るのではなく、幾つか行きつけの施設を開拓しておいて、今日の仕事内容や気分によって使い分けることも有用だ。

個々に合った働き方のカスタマイズ

また、働き方の多様化は仕事場の選択だけではない。
自身のライフスタイルに合わせて、より効率的な働き方を模索することも、今後は重要視されるのではないか。

例えば、自分が朝型か、夜型かを知るのも一つの手だ。

人には個々に体内リズムがあるので、自分の一番効率がいい時間に働くことができれば、仕事の生産性は上がる。
試しにスタッフ数名で診断してみたが、同じ会社の人間でも、見事にバラバラだった。


【診断/夜型朝方質問紙】

考えてみればこれだけ人がいるのだから、それぞれの得意分野も違えば、働き方も違って当然だ。
一律に場所と時間を強制するのではなく「みんな違ってみんないい」という柔軟な考えになれば、仕事の効率も楽しさももっと増すのではないだろうか。

メインオフィスの今後

ザイマックスによる「アフターコロナのワークプレイスの方向性アンケート(1,795社対象)」では、メインオフィスとテレワークの両方を使い分ける企業が最も多く46.5%であったが、一方で、テレワークを拡充しメインオフィスを縮小するという回答も14.3%存在した。

コロナによるテレワークは半強制的な試みではあったが、結果を見てみるとオフィスメインで働いているときと生産性がほぼ同等か、それ以上という企業もある。
それならばワーカーの働きやすさを追求し、光熱費や個々の設備等は考慮しつつ、会社の固定費用を抑えてしまおうという考えも徐々に広がっている。

テレワーク利用を7割に

2020年7月26日には、西村経済再生相が「経済界へのお願い」の意向を示した。
ガイドライン実施の徹底や体調不良者へのPCR検査推奨のほか、注目を集めたのは「テレワーク70%・時差出勤」の記述だ。

 

今回の方針はコロナへの対応策が一番の目的であるが、「皆で足並みを揃え、同じ環境で働く」という考えは、もう古いと言わざるを得ない。

個々の意識が変わり、働き方の多様化し始めた今、企業の枠を超えた日本全体に、働き方の変化への対応が迫られている。

 

【情報・資料出典・参考】TOKYOテレワーク・モデルオフィスオープニングレモニー
コクヨ株式会社「ワークスペース整備の潮流について」
ザイマックス不動産総合研究所「働き方×オフィス」
一般社団法人コワーキングスペース協会

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